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英検1級、準1級に小学生の生徒が多数チャレンジしてくださいました

東京外語スクールでは2017年度第3回の英検以来、5回連続英検準1級の合格者を輩出しています。今回実施された英検にも小学生中学生高校生の生徒が多数チャレンジしてくださいました。中には英検1級という学生のレベルを超えた難関問題にチャレンジしてくださった方も。

まずは今回の試験問題の傾向を見ていきましょう。

英検1級準1級の試験傾向と対策

語彙・熟語

英検の各パートの中でも最も難易度が高いパートです。過去に英検準1級に合格された方の多くはこのパートの正答率が50%~55%でした。今回の準1級の英単語は比較的市販の英単語帳でカバーされている単語で出題されているものが多かったため、準1級の単語対策が進んでいる方であれば60%以上とれる可能性もあるかと思います。

ただし、小学生は言葉の意味が理解できない単語があるので注意が必要です。例えば今回の英検準1級で出題された単語の中では、
scorn 軽蔑(けいべつ)
といった意味の単語は英単語を覚えるのみでは理解できない場合があります。当校ではこのような言葉を優しい表現にかみ砕いて覚える方法をとっています。
scorn -> 軽蔑 -> ばかにすること、いやしいものだとおもうこと
というように優しい表現に変えて覚えるようにすると、小学生でも難易度の高い試験問題を解けるようになります。

英検1級の語彙問題の注意点としては、市販の単語帳でのカバー率が50%程度であるということです。市販の単語帳に掲載されている単語は覚える必要はありますが、それだけでは不十分であるため、英字新聞など難易度の高い文章に出てくる単語も覚えていく必要があります。

長文読解

英検の長文問題は他の英語試験と比べて時間に余裕があることが大きな特徴です。また長文のタイトルが明示されていることも特徴といえます。ただし準1級の場合、タイトルが1級レベルの表現となり、準1級の語彙ではタイトルで問題の主題を特定することが難しい場合があります。

今回英検準1級筆記試験第3問2つ目で出題された長文問題を例として挙げます。

2019年第1回英検準1級筆記試験第3問長文2
英文タイトル The Uncertainties of Celiac Disease
日本語訳 セリアック症候群の不確実性

医学系の前提知識が必要なため、このタイトルを見て、小学生や中学生が内容を類推することは極めて難しいかと思います。そのため、英検の長文対策をする場合、実際に長文を読み始める前に本文がどのような事柄について書かれているのかを把握してから精読していくよう指導する必要があります。例に挙げた文では本文中にこのような表現が出てきます。

a Dutch doctor had been observing a puzzling condition in which local children with apparently healthy eating habits were unable to absorb nutrition from their food.
オランダの医師は一見正しい食生活をしている子供たちが栄養を摂取できていないという悩ましい状況を確認していた。

the cause of the children's illness, now known as celiac disease, has been identified as a group of proteins called gluten.
この子供たちの病気(今では"セリアック症候群"と知られている)の原因はグルテンと呼ばれるたんぱく質群の影響によるものだと特定された。

このような情報からCeliac Diseaseが「タンパク質の影響による栄養摂取障害に関する病気」のことであることを長文をじっくり読む前に、整理しておくことがとても重要です。この整理された情報が長文を読む上での骨組みとなり、本文を読んでいく中でイメージが具体化され知識として定着しやすく忘れにくくなります。

リスニング

英検のリスニング問題は他のTOEICやTOEFLなどの英語資格試験と比べて、放送自体は聞き取りやすいスピードです。ただし後述するパッセージ問題や英検1級のみ出題するインタビュー問題は、放送される文章が長文であるため、高い記憶力を要求されます。

英検準1級リスニング問題の出題形式

英検準1級のリスニング問題は3部で構成される全29問です。

  1. 会話文1問につき1答が12題
    2名の話者がそれぞれ交互に3回ずつ話し、最後に質問文が放送される
  2. パッセージ問題1問につき2答が6題(計12設問)
    150語程度のスクリプトが放送され、その後質問が放送される
  3. 日常生活のシチュエーション問題1問につき1答が4題
    80~90語程度の日常生活を想定したスクリプトを聞き、問題用紙の質問に答える

英検1級リスニング問題の出題形式

英検1級のリスニング問題は4部で構成される全27問です。

  1. 会話文1問につき1答が10題
    2名または3名の話者がそれぞれ交互に3回ずつ話し、最後に質問文が放送される(10問中の最後の問題で3名による会話問題が出題される)
  2. パッセージ問題1問につき2答が5題(計10設問)
    200語程度のスクリプトが放送され、その後質問が放送される
  3. 日常生活のシチュエーション放送に関する質問が4題
    130~140語程度の日常生活を想定したスクリプトを聞き、問題用紙の質問に答える
  4. インタビュー放送1問につき2答が1題
    520~550語程度のインタビュー放送を聞き、放送後の2つの質問に答える

傾向と対策

英検のリスニングにおいて重要なのは聞いた英文を覚えておく記憶力です。メモを取ることは可能ですが、書くことに集中して聞き逃してしまう可能性も考えられるため、必ずしも書かなければ高得点を取れないというわけではありません。英文を聞いて書き取るディクテーショントレーニングで記憶力を養うことをお勧めします。

また、特に小学生や中学生で英検準1級や1級のリスニングにチャレンジする場合、会話文問題であっても一般常識力が必要とされるケースがあります。今回の英検1級の会話文問題8問目ではsavings accountに関する問題が出題されています。放送の中でour InvestPlus account has averaged 5% interest over the last 4 yearsという文が出てきますが、savings account = 銀行口座がすぐに想定出来て、かつ口座の預金に対して金利がつくという前提知識がないとinterest = 金利、利子という関連付けに遅れが出てしまいます。そのため英検1級を受ける場合は社会人であれば知っておくべき社会の仕組みへの理解を深めておく必要があります。

英作文

英検の英作文は次の4つの指標に基づいて採点されます。

  • 語彙
  • 文法
  • 構成
  • 内容

では英作文で高得点を取るために対策すべきことをご紹介します。

英作文に必要な語彙と文法

今までの受験生の練習英作文と試験結果を見ると、2019年6月時点では語彙と文法に関して、実はそこまで高いレベルは必要とはされていません。

あくまで目安ですが、語彙はそれぞれの級のレベルの一つ下の級のレベル(英検準1級であれば2級レベル、英検1級であれば準1級レベル)の英単語をスペルや表現のミスなく使えていれば十分高いスコアが見込めます

英作文に必要な文法という意味では、英検2級レベルの分詞構文や仮定法などを使わなければいけないということはめったに起こらないため、基本的には英検準2級レベルの文法があれば高いスコアを取ることができると言えます。

※ただし、今後受験生の英作文レベルが上がるにつれ、より高いレベルの語彙や文法を使わなければいけないことも出てくる可能性は十分あるということにご注意ください。

上級レベルになると英文法のルールとしては正しいと考えられるがネイティブはあまり使わない表現であったり、意味や意図が伝わりにくい表現になるような場合があります。その場合は、アメリカ人やイギリス人講師に採点してもらうことで、よりハイレベルな英語表現を身に着けることができます。

英検英作文の構成と内容

英検英作文では、賛成反対どちらでも解答可能な質問に対して意見を述べ、その理由を英検準1級では2つの理由を、1級では3つの理由を述べる必要があります。

構成に関する注意点としては、原則として英検準1級では4パラグラフ(導入、理由①、理由②、結論)、1級では5パラグラフ(導入、理由①、理由②、理由③、結論)の段落構成にするという形が良いと考えられます。また英語のエッセイでは重複した表現は減点対象になる可能性が高いため、できる限り多様な表現を使う必要があることにも注意が必要です。

英検の英作文の内容を考えるときに注意するべきことは、それぞれの理由が独立し、論理的であることです。それぞれの理由が独立していない場合、理由が2つ必要なのに、1つしか述べていないと考えられてしまい内容点が下がる可能性があります。また論理的な理由にするためには客観的な事実や、社会通説に見合わせて正しいと考えられる例を用いると、理由の根拠を補強できます。

英検準1級の英作文問題と対策

今回の英検準1級ではDo you think that Japanese consumers will buy more imported products in the future? 日本の消費者は今後輸入品を今より買うようになるかという質問に対し、次の点に基づいて理由を考える必要があります。

  • Globalization グローバル化
  • Government policies 政府の政策
  • Price 価格
  • Quality 品質

理由を考えるための普段のトレーニングとしては、賛成、反対それぞれの理由を思いつくことができるように、アイディア出しのトレーニングを行っておくことが重要だと考えています。賛成反対どちらの意見も述べられるようにしておくことで、本番では英語で表現しやすい方を選ぶことができ、安定した英作文を仕上げることができます。

ここでは、上記理由について、賛成と反対のそれぞれの理由について具体的な方向性を考えてみます。アイディア出しの参考にしていただければ幸いです。

  • 賛成の理由
    – EUやTPPなどの貿易協定により各国間の物の流通量が増える(Globalization グローバル化)
    – 人件費などの安い地域で生産されたものは人件費の高い日本国内で生産されたものよりも安い(Price 価格)
    – 航空機産業など(過去の)政府の政策により製造技術が発展していな分野の製品は輸入に頼らざるを得ない、かつ今後航空機などを買う量は増えていくと考えられる(Government policies 政府の政策)
    – スマートフォンなど海外企業のほうが先進しているため今後より輸入する傾向が強くなる(Quality 品質)

  • 反対の理由
    – 太陽光パネルのように政府の政策により国内産業強化のため国内企業の製品を買うことが増える(Government policies 政府の政策)
    – 日本は特に製造業において技術力が高いため、自動車や医療機器など身の安全に関わるものは今後より国内の企業の生産する製品を買う傾向が強くなる(Quality 品質)
    – AI人工知能分野により労働力不足を補うことが可能になるため、今後日本製品の製造コストは下がり、価格競争力が今よりさらに向上すると考えられる(Price 価格)

英検1級の英作文問題と対策

今回の英検1級ではAgree or disagree: Infectious diseases will become a bigger problem in the coming decades. 伝染病は何十年後に大きな問題になりうるかという質問に対し、3つの理由を挙げる必要があります。英検1級の英作文の出題傾向は他の級と比べ、明確な結論が出ていない問題が出題されることが多いです。そのため、賛成と反対でどちらで書き進めても難易度には大きく差はないため、それぞれの理由を思いついた後、賛成反対どちらの理由が主張として妥当性、正当性が高いかを判断して書き進めることをお勧めします。

では今回の出題ではどのような理由で書き進めることができるか考えていきたいと思います。

  • 賛成の理由
    – インフルエンザなど感染源となるウイルスの進化
    – 先進国の少子高齢化による医師不足
    – 輸送技術や交通機関の発展により感染の拡大が容易に

  • 反対の理由
    – 遺伝工学の発達により対抗薬の開発が容易に
    – 情報伝達手段の発達により感染予防の警告をより早く広範囲に送れるように
    – サーモグラフィや簡易検査キットなど工学の発達により、初期段階の症状での隔離が可能に

文法

英検の場合、文法問題が出題されるのは2級までで、準1級と1級には出題されません。ただし、文法の理解が不十分だと長文読解や英作文のスコアを上げることができないため高校生までの英文法は習得している必要があります。

結果発表

果たして、東京外語スクールから英検合格者は出たのか?!結果を見ていきましょう。

英検1級

今回英検1級にチャレンジしてくださったのは中学生です。今回受験するにあたり、英検準1級の単語の復習を徹底的に行い、1級の単語の対策も非常によく頑張ってくださいました。中学生にとって6月は学校の定期試験と英検がほぼ同時期に実施されるため多忙な合間を縫って、リスニングの対策も進めて頂きました。英作文はここまで過去問を5回分、日本人講師が英作文のアイディアを練るお手伝いをしつつ仕上げて頂き、アメリカ人講師のフィードバックを取り入れて書き直して完璧なものに仕上げるトレーニングを行いました。

その結果、、、

2028点で合格のところ2022点!
あと6点で合格というところでした。

このスコアは過去最高のスコアで本当に素晴らしいものでした。特に英作文が素点で80%を超えていらっしゃったことはとても嬉しいことです。今後英検1級レベルの英単語学習に加え、英字新聞レベルの読解問題にもチャレンジしていただく予定です。これからのご成長がさらに楽しみにしています。

英検準1級

今回の英検準1級に挑戦した小学生と中学生のスコアを見ていきたいと思います。

中学生の生徒が合格まであと8点というところでした。
小学生も本当によく頑張ってくださり、大変嬉しいことに全生徒が前回よりもスコアアップしています。

まとめ

英語の試験は受験などと比べてチャンスが多いため、失敗とその悔しさをバネに努力するというとても大事な経験ができるものだと思います。
本気で努力したからこそ涙が出てしまったり、挫折感を味わうことがあります。それを乗り越えて成功をつかむことで、努力に基づく自信につながり、confidenceとは何かを理解できるようになると思います。生徒の皆さんが成功の喜びを感じられるよう指導していけたらと考えています。

関連リンク

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